『おおかみこどもの雨と雪』 サウンドトラックの覚書

  • メインテーマ

−映画本編のすべての時間、はみ出した、溢れ出た色んな想い、ぜんぶ、この一曲に入ってます。声に出して歌ってみて欲しい曲です。耳から入ってくる音も楽しいですが、身体から溢れる音も楽しいです。*1

24. おかあさんの唄ハ長調

A
B

  • Aのバリエーション

−あるとき「音は台詞なんだ」と気が付いたんです。映画に新しいキャラクターを登場させる気持ちで作ると、すんなり音が出てくるようになりました。*2

1.産声ト長調
・映画の冒頭、花畑のシーン。

2.めぐりヘ長調
・花が彼と出会うシーン。

6. 莟変ニ長調
・彼の死後、花が子育てを決意するシーン。

19. 少年と山変ト長調
・花と雨とオオカミが対面するシーン。

20. あめつちひといぬ (映画未使用曲)(変ニ長調


  • Bのバリエーション

−花の感情に添うのではなく、これからお母さんになっていく花を、色んな「お母さん」という存在が見守っているような立ち位置でとらえると、だんだんと何の音を鳴らせばいいのかがわかってきました。*3

3.陽だまりの守唄ハ長調
・花と彼が仲を深めていくシーン。

5. そらつつみニ長調
・花と彼が仲良く生活しているシーン。(セリフはなくこの楽曲だけが流れる)

21. あなたはわたしの美しいうたハ長調
・花が地面に倒れて雨のことを思うシーン。

未収録曲.1(下記参照)


  • スケッチ10

−スケッチ8(筆者注:本アルバムの1曲目に『産声』として収録されている)と同じくらい好きな曲が、花と雨が別れるシーンのために書かれたスケッチ10です。今回のアルバムには、素晴らしいことに映画用の完成曲(『雨上がりの家』)と、その元になったスケッチ10(『虹のたてがみ』)の両方が収録されています。個人的にスケッチ10はジョン・レノンの『イマジン』級の名曲だと思っています。すごく好きです。*4

22. 虹のたてがみ (映画未使用曲)(ヘ長調
23. 雨上がりの家ヘ長調ニ長調
・雨が花を助けるシーン。雨が崖の上で吠えた直後に転調する。



シュウメイギク

  • スケッチ

4.ほしぼしのはらロ長調
・星空の下で彼が花に秘密を打ち明けるシーン。

7. ねねハ長調
・花の子育てシーン。雨と雪の日常。
8. あたらしい朝変ロ長調
・田舎へ引越すシーン。

9. オヨステ・アイナハ長調-ペンタトニックスケール)
・古民家で暮らし始めるシーン。

10. がさぶらたあたヘ長調
・オオカミの生態を紹介するシーン。
11. たねめみロ長調
・地域の人たちと交流するシーン。
12. きときと-四本足の踊りニ長調
・雪の上で哄笑するシーン。

13. ひふみのまじないト長調

・おまじないを教えるシーン。
14. 太陽をもった日ト長調
・学校に通いはじめるシーン。
15. すべての暖かいみち変ロ長調
・雨と雪が成長していくシーン。(ほぼセリフなし)
16. 秘糸(無調?(ホ長調-変ト長調))
・雪が草平に言い寄られるシーン。
17. あなたが編む世界変ロ長調
・草平が雪の家を尋ねるシーン。
18. やわらかいまなざし (映画未使用曲)(変イ長調-ペンタトニックスケール)


  • 未収録

以下はサウンドトラックに未収録。

  1. 畑仕事のシーン。陽だまりの守唄に似ている。ピアノ曲。15秒ほど。
  2. 雪たちが体育館で待機するシーンから、花が雨を探して山を歩くシーンまで。ピアノ曲
  3. 雪が草平に秘密を打ち明けるシーン。ピアノと弦楽器。あなたはわたしの美しいうたの後半、すなわち陽だまりの守唄に似ている。

劇場公開映画「おおかみこどもの雨と雪」オリジナル・サウンドトラック

劇場公開映画「おおかみこどもの雨と雪」オリジナル・サウンドトラック