・夜行バスで寝付けなかったため、リクライニングシートにもたれながら、手付かずの工夫をする。途中、変にわかったような感覚になる。自分がなくなれば世界が手に入るって本当かもしれない、なんて考えいたら、一睡もできなかった。

「…他にひけらかすため自分に箔を付けるたまなど言語道断です。インターネットにもしょうもない自分本尊たくさんいます、…禅とか仏教なかったらどうするんです。お釈迦さんにはそんなものなかったんです。会に誇り悟り豊かとは未だしと心得て下さい。…転ばぬ先の杖がなけりゃそれでいい。自分の足で歩けます、たったそれだけです、強い心とか禅機横溢なんてそんなくずみたいなこと、蛇足であり杜撰であるっていうことにちらとも気がついて下さい。…おれはなんとかってでなけりゃ承知できない、けちなこと止めなさい、まっ平らでいいんです、人陸沈さる、目くそ半かけ蚊の涙の取り柄もないんです、…なんにもないとは日々新たなりです、安住とはどこにも安住の地なんかない。」