写真

新着順 人気順

『なぜ、植物図鑑か 中平卓馬映像論集』(中平卓馬、2007)

中平卓馬のドキュメンタリー映画を観たのはたしか2007年のことだ。文化的な飢えとそれを満たそうとする欲求に駆り立てられ、興味があろうとなかろうとできるだけ多くの映画を観ようと思っていた中での一本だった。 映画を見終わったあと、タバコ屋で赤いショ…

『現代アメリカ写真を読む デモクラシーの眺望』(日高優、2009)

デモクラシーとしての写真 本書は、至るところに浸透するがために二重に見えにくいものとなっている〈デモクラシーとしての写真〉の存在様態に眼を凝らし、デモクラシーが社会のなかで生成してくる様態を写真においてとらえようとする試みである。(p11) そ…

『写真論集成』(多木浩二、2003)

「写真はたんなる表現という以上に、社会を変え、われわれの知覚や認識を変えるものであった。生産され流通する写真の全体が、人間の社会にとっていかなる作用をもつかが問題であり続けた」という多木浩二氏による写真論。『図説 写真小史』(ヴァルター・ベ…

『増補 20世紀写真史』(伊藤俊治、2022)

見ることと見せること …ささやかな平凡な人々の日常さえも歴史ドラマのようになった。写真は物語ることを要求され、あらゆる事象が写真で物語化されることを求められた。見ることは写真家の視覚的行為から始まるのではなく、物語のシステムから生みだされ、…

『写真の読みかた』(名取洋之助、1963)

太平洋戦争のさなか、写真報道の仕事で中国にいた名取氏は、突撃の写真を「ほんとうらしく」撮るために随分と苦労したという。 カメラマンは突撃を撮るために、第一線の弾丸のとんでくるところで、命がけで撮るのですが、なかなか内地の人が新聞記事を読んで…

写真散歩

積雪期の大館市鳳凰山を歩く。

『写真制作者のための写真技術の基礎と実践』(大和田良、2022)

構図 「構図」について、著者は以下のように定義している。 状況や条件が常に変化する現実を目の前にする写真というメディアにおける構図とは、どう捉えるのかという自らの思考や解釈そのものであり、またそれを強調し、暗示する術である。より自由に世界を…

『図説 写真小史』(ヴァルター・ベンヤミン、1998)、『ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読』(多木浩二、2000)

アジェの写真に親しみを持ったのは、そこにストリートスナップ的な人間の躍動があったからだ。 アジェは「街の堂々たる景観や、いわゆるシンボル的建築物を」ほとんどいつも素通りした。彼が注目したものはブーツの靴形の長い列、晩から朝まで手押し車が整然…

『日本写真史 上・下』(島原学、2013)、『教養としての写真全史』(島原学、2021)

自分が良いと思う写真が、歴史的な文脈のなかでどのように位置づけられるのものなのか。いや、そもそも良い写真だと思っているのは、これまで見てきた写真の傾向からたまたまそう思っているだけで、これからさらに様々な表現の写真を見続けていけば好みは変…

写真散歩

好きな写真家の作品を徹底的に真似してみようということで、奈良原一高さんの『消滅した時間』を意識して撮影してみた。 大館市長根山の展望台周辺を歩く。 そのまま鳳凰山へつづく山道をたどり、 沼ノ窪神社から岩神貯水池へ。 奈良原一高さんは文章も素晴…

『秋田 環日本海文明への扉』(2024、伊藤俊治・石川直樹)

秋田──環日本海文明への扉 作者:伊藤 俊治 亜紀書房 Amazon ふだん見慣れていたものが、ある出来事をきっかけに、まったく異様なものに見える瞬間がある。何の疑いもなく「知っている」と思っていたものが、突然理解を超えた存在として立ち現れ、私たちをぎ…